東海大学 医学部 総合型選抜AO入試が10月25日(日)に行われました。
定員5名の中、1次試験では30名の方が通過しました。一会塾でも1次合格者が出ています。
2次試験は170分程度、「オブザベーション評価」と「面接試験」が行われます。今回の小論文の内容からも分かる通り、医学部の入試は、就職試験の要素が強いですね。
『今あなたが興味のある医学研究のテーマや研究方法について、最低一つ挙げて、800字以内で記述してください。』
これは大学からの目線では、
「医学部を目指しているのに興味のある医学研究が一つもない、ってどういうこと?」
という東海大医学部からのメッセージとも受け取れます。
以下に出題内容の全文を載せておきますので、これを機会に、こちらの解答を箇条書きでも良いので自分で考えてメモしてみるのも良い経験になるでしょう。
今年度の受験生は面接試験のためになりますし、高2生以下の方は、考えるチャンスとして利用してください。
小論文課題
以下の文章を読んで、下記の問いに答えなさい。
歴史的には、医学的根拠は三つ存在するのである。本書では、それらを仮に直感派、メカニズム派、数量化派と呼ぶ。直感派は医師としての個人的な経験を重んじ、メカニズム派は動物実験や(現代では)遺伝子実験など、生物学的研究の結果を重視する。一般にはあまり知られていない分野ではあるが、今日では、病気などの原因を科学的に証明するためには、疫学あるいは医療統計学と呼ばれる方法論が用いられる。生物学的メカニズムの解明こそが病気の原因を明らかにするという考えは、実は誤りである。
二〇世紀後半に至って、国際的にはこれら三つの根拠の優先順位に関して合意ができた。第1章第2節で述べるように、医学においては、数量化の方法が、医師の個人的経験や実験室の研究結果に優先させるべき科学的根拠となっている。急いで付け加えるが、これは数量化の方法が万能という意味ではない。医学がこれら三つの根拠の上に成り立っていることは事実である。しかし、人間を対象に治療などの行為をする上で科学的根拠となるのは、他の二つではなく数量化なのである。
(出典:津田敏秀「医学的根拠とは何か」岩波新書)
(問い)
医学的根拠を求める医学研究にはさまざまなアプローチ方法があります。著者が述べている臨床経験を重視する方法、遺伝子実験などの生物学的研究、人間のデータを統計的に分析する臨床研究に加えて、人工知能(AI)・数学的研究などを活用する方法などもあります。
今あなたが興味のある医学研究のテーマや研究方法について、最低一つ挙げて、800字以内で記述してください。
(東海大学医学部医学科AO入試・2020年)