みなさんこんにちは。
今回の恵比寿校ブログは医大生スタッフの順天堂大学4年生の河野輝さんに書いてもらいました。
河野さんはこの夏にCBTというテストを受けていました。このCBTテストについて、どんなテストなのか説明してもらい、受け終わってからの感想等を聞いてみました。
初めまして、順天堂大学医学部の河野輝と申します。
医学部では臨床実習へと参加する前にCBTというテストを受けなければなりません。学校によって受ける時期は異なるのですが、私の学校では4年生の8月に受けると決まっています。
CBTは医師国家試験、卒業試験に次ぐ大切なテストであり医学生に最初に立ちはだかる大きな試験となります。この試験に受からないと臨床実習に参加することが出来ません。
CBTの勉強はほとんどの学生が半年前から始めます。出題は主に基礎医学(細胞生物学、免疫学、微生物学、生化学など)と臨床医学(消化器、循環器、血液、神経など)の範囲から出されます。それぞれの範囲がとても重く、教科書は1分野平均300ページほどになります。
CBTは出題形式も異なり、単純五肢択一、多肢選択、順次解答型四連問の3種類の方法で出題されます。特に多肢選択と順次解答型四連問は特殊な問題なので対策が必要となります。
また採点方法も特殊です。全部で320問出題されるのですが、そのうち240問が採点対象となります。この採点対象の240問はプール問題と呼ばれ、過去に出題されたことある良問を集めたものです。採点対象外の80問はその年に始めて出題される新規問題となります。なので240問のプール問題を確実に解くことが高得点を取るコツとされています。
CBTの合格点は大学によって違うのですが、私の大学ではIRTで359点以上、正答率に直すと約60%となっています。IRTというのは問題の難易度を考慮した点数化方法で難しい問題に正解するほどIRTは高くなる仕組みとなっています。CBTは人によって解く問題が違うのでIRTによって問題の難易度による点数の差が出ないようにしてあります。
CBT・OSCEの範囲は莫大なので、1日のほぼすべての時間を勉強に使っています。実際CBTの勉強の方が大学受験よりも大変だという人もたくさんいます。
大学に入ってからも大学受験に負けないぐらいたくさん勉強することは確かですが、医学の勉強はとても面白く、知識を身に着けることで分かることが増えていくのはとても楽しくやりがいを感じています。医師になる道を選ぶと学生時代はもちろん、医者になってからもずっと勉強をし続けなければなりませんが、選んで後悔はしないと思います。CBTの勉強は辛いですが、楽しいことや医学部でしか経験出来ないことがたくさんあるので、受験生の皆さんは是非医学部へ進む選択肢を考えてみてください。
CBTを終えて感想
8月の後半にCBT、その2週間後にOSCEと忙しい日程でしたが、無事にCBT・OSCEを共に終えることが出来ました。両方とも不合格になることはなくCBTはIRTが710点、正答率は93%という学内でトップの成績でした。CBTを受験した直後はあまり出来が良いとは思えなかったので、結果を知った時は驚きました。
何故この成績を取れたのか振返ってみると、基礎を完全に理解するという大学受験時代の勉強法が生きていたのだと思います。医学における基礎というのは各疾患における症状、特徴的な検査値や画像所見、治療法を理解し覚えることだと考え、この3つに関して教科書に載っているメジャーな疾患を人に説明できるようにしました。また覚えるうえで疾患が起こる機序を調べ原理の理解に努めました。どうしても覚えられないものの暗記に関しては語呂合わせがとても役立ったように思います。受験生の時の勉強法というのは大学に入ってからも役に立つので、受験生の時に自分の勉強の仕方を確立しておくのがいいと思います。
またCBTとは別にOSCEと呼ばれる実技の試験を受けてきました。OSCEとは臨床実習前に必要な技能を問われるもので、具体的には聴診器を用いて肺や心臓の音を聞いたり、触診や視診などをしました。覚えることは少ないのですがとても緊張するテストでした。
無事にCBTとOSCE二つの試験に合格すると仮医師免許を貰い、臨床実習において医師の監督下で簡単な医療行為が出来るようになります。臨床実習では今まで教科書でしか知ることの出来なかったことを学べるので、勉強で培ってきたことを活かしながらより多くのことを学び経験したいと思っています。
最後になりますが、私はCBTを通して改めて勉強における基本と積み重ねの大切さを実感しました。受験生の皆さんにとって今は受験日が近づいてくるという不安の募る時期だと思います。ですが勉強は日々の小さな積み重ねが大きな力となるので焦らずに基本を大事にして勉強に励んでください。