【2027年度】福島県立医科大学 医学部 海外教育プログラム選抜
(2025年10月11日実施の)先輩の受験報告と公式過去問から考える対策
一会塾では、先輩の受験報告を塾生限定で公開しています。今回の筆記試験の分析は、2025年度入試(2024年実施・令和7年度)と2026年度入試(2025年実施・令和8年度)の公式過去問・出題意図・解答例に基づきます。受験報告は2023年と2025年実施分で、2024年実施分の報告はありません。2023年の報告は面接の参考として使用しています。
■海外で学んだ数学・理科を、日本語の答案につなぐことが重要
海外教育プログラム選抜の総合問題Ⅰ・Ⅱは、過去2年の大学公式公開資料では、同日実施の総合型選抜と同じ問題です。海外で数学・理科を学んできた帰国生にとって、履修範囲の違いに加え、日本語で条件を読み取り、根拠を説明することが大きな課題になります。
一方、本学では帰国生が入学し、学んでいます。一会塾でも、先輩たちの進学・学習の実績を踏まえ、医学を学ぶ進路の一つとしておすすめしています。英語の強みを生かしながら、数学・選択理科・日本語の記述を具体的に補強しましょう。
■今年の試験
2026年10月17日(土)
総合問題Ⅰ 9:30~12:00 150分 400点
総合問題Ⅱ 13:00~15:30 150分 200点
面接 16:30~19:00頃 60点
合計660点。大学入学共通テストは課されません。出願書類は点数化せず総合判定に用いられます。科目別の内訳を推測で割り振らないようにしてください。
■2024年実施分の数学には公式訂正があります
数学の第1問は、対数不等式の表す領域を図示し、面積を求める問題でした。しかし、大学は面積が有限の値にならない不適切な出題だったと公表しています。
第2問は、数列a_n=(1+1/n)^nを題材に、二項定理、不等式、単調性・有界性、極限の存在を考える問題です。大学はk=0の項の扱いと不等号の誤りを公表しています。
この年度の数学を解くときは、訂正資料を必ず合わせて確認してください。解けなかった箇所を全て本人の学力不足と考える必要はありません。大学の訂正から、採点上の救済方法までは確認できません。
■総合問題Ⅰの傾向
数学は、2024年には対数・領域と数列の証明、2025年には図形の面積の最大値、二次関数の条件・領域・積分が出題されました。単元は変わっても、条件を式に直し、解答の過程を説明する力が共通して求められます。計算だけでなく、「すべて」「かつ」「または」の意味、定義域、場合分けを確認しましょう。
英語は2年とも2題。2024年はリスクコミュニケーションと医療従事者のストレス・感謝、2025年は高校生の石けん開発とBMIの限界を扱っています。語句整序、和文英訳、内容理解、日本語による説明などが出題されています。英語を得点源にするためにも、日本語で答える設問や計算を省略せず練習してください。
理科は、過去2年とも物理・化学・生物から1科目相当を選択する構成です。物理では力学、電磁気、波動・熱と作図、化学では無機・理論・有機と実験の説明、生物では免疫、神経・筋、血糖調節などが扱われています。本人の履修範囲と答案の完成度を見て主科目を決め、日本語の用語と説明を補強しましょう。
■総合問題Ⅱは、日本語の小論文だけではありません
2024年は「自殺予防」の論説、戦時に家族が娘を送り出す小説、平均寿命の男女差と疾患別死亡率、周期ゼミの問題が出題されました。
2025年は愛着・虐待・非行の論説、震災後のボランティアの文章、年齢別の自殺統計、iPS細胞の実験が出題されました。
共通する構成は、論理の読解と自己の考え、人物の心情・背景、統計、自然科学の数的・論理的処理です。統計では「人数」「人口当たりの率」「全死亡に占める割合」や、引き算で表す差と割り算で表す比を区別します。自然科学では最小公倍数や組合せ計算、実験条件の読み取りも必要です。
周期ゼミは15~18年周期の組合せの最小公倍数を求め、モデルの仮定と図を合わせて考えます。iPS細胞では候補遺伝子を除く実験から重要な遺伝子を絞り、24種類から4種類を選ぶ場合と10種類から4種類を選ぶ場合を比較します。知らない題材でも、本文にある定義と条件を使って解く練習をしてください。
■日本語で説明する練習
60~150字では、結論だけでなく理由と因果関係を入れます。400字の設問では、筆者の主張を説明する部分と、自分の経験・考えを述べる部分を分けて組み立てましょう。心情問題では「悲しい」「うれしい」だけで終わらせず、誰に対するどのような気持ちなのか、行動の根拠とともに書きます。
図表から分かる事実と、自分が考える背景・対策も区別してください。似た変化が見られても、それだけで因果関係が証明されたとは言えません。
■面接の準備 2023年と2025年の先輩報告から
2023年の報告では、面接官3名と受験生1名、約30分。筆記後に面接シートを記入し、「医師になれなかった場合に希望する職業」「福島市を訪れた印象」を書く質問があったとのことです。面接では出身地、福島で6年間暮らすこと、目指す医師像、海外での活動、面接シートの内容が聞かれています。
2025年の報告でも、出身地や福島で暮らすこと、海外での学習・活動、医学への関心、特別活動報告書に関する質問がありました。自分の経験を、何をしたか、何を学んだか、医師を目指すこととどうつながるかの順に説明できるようにしましょう。
面接シートの実施や質問・時間は年度によって変わります。「志望理由を聞かれなかった」という報告があっても、準備は必要です。福島の印象は実際に見たことを根拠にし、海外の教育についても自分の学校での経験に即して説明してください。
■直前の優先順位
①数学・主理科の日本語条件と記述を確認する。
②英語の和訳・英訳・日本語説明を練習する。
③統計の分母、差と比、最小公倍数・組合せを確認する。
④短い記述と、本文を踏まえた400字の答案を作る。
⑤出願書類を読み直し、活動・研究・福島で学ぶ理由を説明する。
150分の演習では、受験番号、理科の選択番号、設問の答え漏れ、字数や単位を確認する時間も確保してください。昼食は持参し、夕方の面接までを見通して体調を整えましょう。
■出典について
過去問で本文や図が省略されていても、出題意図・解答例から評価される力を確認できます。2024年の英語の出典は「Better Risk Communication」と「How can gratitude help healthcare workers?」を特定しました。日本語の出典は高橋祥友『自殺予防』、壷井栄「おばあさんの誕生日」です。原記事・書籍と大学が改変した試験本文は同一とは限りません。
本案内は過去2年の出題に基づく対策であり、今年の特定テーマや出題単元を保証するものではありません。
参考 大学公式過去問
https://www.fmu.ac.jp/admission/medicine/R7_kakomon.html
https://www.fmu.ac.jp/admission/medicine/R8_kakomon.html


