順天堂大学 医学部 外国人選抜・帰国生選抜・国際バカロレア / ケンブリッジインターナショナル選抜が今年も始まります。一会塾では、これまで12名が1次通過しており、4名の方が最終合格の栄冠を手にしています。1次試験は共通テストやIB点やSATで学科試験免除となる入試ですが、10月に実施される2日間にわたる入試は、ベールに包まれています。ここでは2024年、2025年に試験を受けた塾生たちの方向を基にその対策を考えます。
入試日程と定員
外国人選抜 募集人員 5名 帰国生選抜 2名(一会塾では2023,2024と2年連続、2名ずつ合格しています)
2025年の7月から順次出願が始まる帰国生入試について、一会塾では『医学部入試研究所みらい』さまと提携し入試要項の一発閲覧サービスを提供しています。帰国生・IB生の強みが行かせる要項については、こちらからご確認ください。
帰国生・IB生・インター生・留学生の方専用の入試要項まとめ
医学部入試研究所みらい
【2026掲載開始】国公立大学・私立大学〈医学部〉年内推薦・帰国生IB生入試からの要項をワンクリックで即閲覧!
【2025】順天堂大学 医学部 学生募集要項(外国人選抜・帰国生選抜・国際バカロレア・ケンブリッジ)
↑2025年 6/25現在 新しい要項はまだ公開されていませんが、公開され次第、「医学部入試研究所みらい」サイトに増設されます。
1次試験は連続2日間、10月の中旬の平日に実施されます
初日:小論文と英作文を合わせて120分
2日目:面接試験(20~30分) ※面接は大変重視されます
2024年の試験日程(参考)

2次試験は、IB40点以上などで学科免除等の得点があります。基準点に満たない場合は、日本留学試験または共通テストが2次試験として採用され、合否が決まります。
一会塾では1次試験と1次試験、すべての対策を行っていますが特に1次試験の初日の写真を使った小論文の対策では、毎年、合格者から高く評価されています。2024年に実施された出題内容(非公開)を見ていただき、実際の試験の参考にしてください。

問題
この写真は、波打ち際で遊ぶ子供たちを撮影したものである。この写真の子供は、10年後、どうなっていると思うか、600字以内で書きなさい。(1954年ジョーンズ・ビーチ)
分析
・5人~6人の黒人の子供たちの中に1人の白人が一緒に遊んでいる。同じ方向を向いて綱引きをしている風景だ。5歳から8歳くらいだろうか。満面の笑みを浮かべている。
・5人~6人の黒人につき白人が1人というのはパワーバランスを象徴しているのかもしれない。それは1954年当時の差別のあった時代のパワーバランスだ。黒人が5~6人で白人1人に値するという厳しい現実である。またこの営みに大人は参加していない。子供たちは体を使って人と人同士がまぎれもない人間同士であるという事実を体験的に、そして純粋に学ぶ。
・今、現代社会では、DEIが叫ばれている。D:Diversity(多様性)、E:Equity(公平性)、I(Inclusion包括)だ。性的マイノリティーや人種、宗教、国籍など多様なあり方を平等に扱う試みが要求されているが、それは、こうした理想や目標が達成されていないからこそのキャンペーンであるとも言えるだろう。
・また、現代は、AI・人工知能、ITであふれいる。バーチャルな世界では、写真で示されている身体感覚や実体験を伴わない、いわば頭でっかち(実体験に乏しいという意味)な情報が1人歩きし、またおびただしい量の知識や情報が、押し寄せる洪水のように切れ目なく入ってくる。多様性や公平性を!などと簡単に言うが、この言葉を体験記に理解できる人は、果たして何人いるだろうか。「他人の痛みが分かる」という言葉があるが、痛みは「痛い」という感覚を伴って初めて理解できるものだ。この写真は、コンピューターでは養えない、「綱を引いて感じる」身体的な経験の重要さを我々に教えてくれているだろう。
・さて、この写真の少年・少女は大人になると15歳~18歳くらいだろう。時は1964年ごろ、法律で規制された人種差別はいっこうに無くならないどころか、キング牧師は暗殺されてしまった。2010年代に入ってもなおBlack Lives Matter運動がおこっている。
・これらを考えると10年後の子供たちの様子だが、この楽しそうな笑顔とは裏腹に、なんら理想が達成されていない現実に気づく年齢に差かかかっているだろう。5歳~8歳ごろの純粋な自分と今の自分を比べて何を語るかがポイントとなるだろう。
・この写真が暗示するキーワードは「身体性」と「記憶」(の大切さ)だと思われる。またこの写真は、現代のPCやデジタル技術に支配された「身体性」と「記憶」を必要としない世界で暮らす我々への警鐘に思われる。
・面接に備えては、上記の内容を自分なりに深めておき、可能であれば、1954-1964年当時の世界の状況について調べて置くことをおススメします。
参考資料(省略) 以下は翌日に備えて受験生へ送った情報になります
1)PDF添付資料「アメリカ黒人のあゆみ」(三枝純子)さんの特にP.130-131を読んでおいてください。(省略)
2)「Black Lives Matter」についてはこちら(省略)
3)「DEI」について「多様性って何ですか」の本の説明を参照(省略)
4)「公民権運動の歴史について」(省略)
対策
いかがでしたか?一会塾では過去4年分の帰国生・バカロレア生・留学生用の写真小論文の過去問を用いて(一般入試の問題も一部使用)、出題の意図、2日目の面接で聞かれるポイントなどを含めた対策を行っています。