帰国生徒特別選抜 Y.Oさん(東京都立国際高等学校)
数ある予備校の中から、一会塾を選ばれたのはなぜですか?決め手はどこでしたか
私は帰国生であり、高校1年生のときから別の塾に通い、主に理系科目の学習に取り組んでいました。高校3年生の春には、私立医学部を志望し、本格的に受験勉強を進めていました。当時は国際医療福祉大学を第一志望として定め、日々努力を重ねていました。
そんな中、5月に国際医療福祉大学のオリエンテーションに参加したことで、私の進路に大きな転機が訪れました。そこで初めて「帰国生入試」という選択肢があることを知り、このチャンスを活かしたいと強く思うようになりました。
それからすぐに、帰国生入試に対応した指導を受けられる塾を探し始めました。そして出会ったのが「一会塾」でした。多くの塾を調べましたが、国際医療福祉大学の帰国生枠に関する情報や実績を、ここまで持っている塾は他にありませんでした。
また、初めての面談の際に、先生の方がとても丁寧に話を聞いてくださり、自分にもまだチャンスがあるのだと実感しました。その瞬間、一会塾に入塾することを決意しました。
小中高のバックグラウンドについて教えてください
私は小中学校時代をアメリカの現地校で過ごしました。授業はすべて英語で行われ、日常生活も家の中以外ではほとんど英語で過ごしていたため、自然と実用的な英語力が身についたと感じています。
中学校卒業後、日本に帰国し、帰国生枠を利用して都立国際高校に進学しました。都立国際高校は、都立の中でも特に多様性に富んだ環境であり、一般受験に比べて比較的入学しやすい帰国枠を使っての進学でした。
しかし、高校入学時には大きなギャップを感じました。日本の中学で学ぶべき基礎的な理数科目や社会科の内容をほとんど学習していなかったため、英語以外の教科では他の生徒と比べて大きく劣っていることを痛感しました。入学式前の実力テストでは、英語以外の教科の点数は壊滅的だった記憶があります。
そのような状況の中で、「せめてこの学校の平均くらいには追いつきたい」と思うようになり、高校1年生の5月から理系科目に特化した塾に通い始めました。また、勉強だけでなく、部活動としてバドミントン部にも所属しており、成績は振るいませんでしたが、良い仲間に恵まれ、充実した時間を過ごすことができました。
都立国際高校では、特に英語教育に力を入れており、生徒の英語力は全国でもトップクラスだと思います。英語力に応じて授業がレベル分けされており、最上位クラスでは海外大学進学を視野に入れたカリキュラムが組まれていました。そのおかげで、私は「英語に多くの時間をかけずに済む」という利点を活かし、他教科、特に数学や理科に集中することができ、徐々に実力をつけていくことができました。
このようにして、私は高校生活を通じて、自分の弱点を補強しながらバランスよく成長することができたと感じています。
進学先の大学・学部を選んだ理由について
私は、幼い頃から医師である父の姿に強い憧れを抱いてきました。患者さんに寄り添い、信頼されながら働く父の姿を見て、「自分も将来は人の役に立てる仕事がしたい」と思うようになりました。
また、祖父がステージ4の大腸がんを患った際、厳しい状況ながらも医療の力によって奇跡的に回復した姿を見て、医療の素晴らしさと可能性を強く実感しました。この経験は、私が医師を目指すうえで大きな原動力となっています。
高校2年生の進路選択の時期には、医師のほかにも「先生」や「パイロット」といった職業にも興味を持っていました。どの職業にも共通していたのは、「人の役に立ちたい」という思いと、「人とのコミュニケーションを大切にしたい」という価値観でした。
最終的に、私は医師になる道を選びました。それは、人の命に直接関わり、その人の人生に深く寄り添うことができる仕事だからです。人との信頼関係を築きながら、一人ひとりに向き合う医師という職業に、私は大きなやりがいと責任を感じています。
一会塾で受講された授業について教えてください。 また授業で特に印象に残っているものは何ですか?(科目・講師名・具体的な内容)
私は、一会塾に通う前は別の塾に通っていましたが、国際医療福祉大学の帰国生枠入試の対策をしたいと思い、一会塾に入塾しました。
入塾後は、帰国生入試で特に得点源となるといわれている数学を中心に、当時まだ勉強が終わっておらず苦手意識のあった有機化学、そして面接・小論文の対策コースを受講しました。どの授業も一対一の個別指導で、自分に最も合ったペースで学習を進めることができたのは、大きなメリットでした。
中でも、数学の授業は特に印象に残っています。担当してくださったのは、確か小田先生で、とても頭の切れる先生でした。解説が分かりやすいだけでなく、私の性格をしっかり理解したうえで、時にうまく“あおって”くれることで、やる気の炎を燃やし続けることができました。そのおかげで、苦手意識があった夏休みの受験勉強も、挑戦者として前向きに取り組み続けることができたと思っています。個人的には小田先生の授業が一番好きでした。
また、小論文の授業では、優子先生のご指導のもと、国際医療福祉大学向けの志望理由書を丁寧に仕上げることができました。あのサポートがなければ、きちんとしたスタートラインにも立てなかったと思います。
さらに、面接対策の授業も私にとって非常に重要な支えとなりました。二次試験は、一次試験の合格発表からわずか一週間後に実施されるため、準備期間がとても短く、一人では対応しきれなかったと思います。しかし、先生が用意してくださった練習問題は、本番の質問内容に見事に命中し、本当に心強かったです。
受験勉強で苦労したこと、それをどう克服しましたか?
私が受験で最も苦労したのは、一般入試・帰国生入試・推薦入試という三つの受験方式を同時に対策していたことです。それぞれの入試方式に必要な対策が異なっていたため、どうしても勉強の時間と集中力が分散してしまい、力を一点に集めることができませんでした。
特に夏休みは、帰国生枠と推薦入試の対策に多くの時間を割いていたため、一般入試のための基礎学力の強化に十分な時間が取れませんでした。塾の授業や個別指導も受けていたため、他の受験生と比べて一般入試対策に割ける自習時間が少なくなり、結果としてペースダウンしてしまいました。
正直なところ、私はこの課題を完全には克服できなかったと思っています。今振り返れば、もう少し一般入試の基礎力強化に重点を置くべきだったと感じています。私にとってはこれは一つの「失敗例」ですが、だからこそ学べたことも多く、今後の課題にもつながっていると感じます。
また、二番目に苦労したのは、有機化学の学習です。もともと暗記があまり得意ではなかった私にとって、理屈と構造の理解が求められる有機化学は非常に難しく感じました。暗記量としては無機化学より少ないといわれることもありますが、私には有機化学のほうが断然苦手でした。
それでも、塾の授業で書いたノートや参考書を繰り返し見直し、自分の言葉で理屈を説明しながら理解を深めるという勉強法を続けました。また、「鎌田の化学問題集」や「重要問題集」などの市販の教材に加え、塾で出された問題を何度も解き、多くのパターンに触れることで少しずつ苦手意識を克服していくことができました。
成績が伸びたきっかけや勉強方法の工夫を教えてください。
私は、自分の性格的に、物事をあいまいなまま理解することが嫌いです。特に理系科目では、「なぜそうなるのか」という理屈や背景をしっかり理解しないと納得できず、授業や塾で学んだ内容を何度も見直して、自分の言葉で説明できるレベルまで深く考えるようにしてきました。
その結果、高校3年生になって問題演習の段階に入ったときには、基礎の理屈がしっかり頭に入っていたため、問題を解くことが比較的スムーズで楽しく感じられました。理解に時間をかけた分、応用にも対応しやすくなったのだと思います。
特に、理系科目の学習においては、時間に余裕のある高校1~2年生のうちに「理屈」と「本質」に重きを置いて学ぶことが、後々大きな財産になると私は感じています。実際、私自身もこの勉強法を実践した結果、入試期には偏差値が一気に10ほど上がった経験があります。
ただ暗記するのではなく、「なぜそうなるのか」を考えながら学ぶことで、深い理解と応用力が身につく――それが私の理系科目の勉強における一番の工夫でした。
メンタル面や生活リズムなどモチベーションを維持するために意識していたことはなんですか?
受験期には、メンタル面でつらく感じることもありましたが、そういったときは家族や親しい友人に相談することで、気持ちを整理し、心のバランスを保つようにしていました。自分の中に溜めこまず、信頼できる人に話すことで、安心感を得られたと思います。
また、私は音楽を聴くことが好きなので、勉強に疲れたときや落ち込んだときは、好きな曲を聴いたり、将来の目標を思い描いたりすることでモチベーションを保っていました。
生活リズムについても、なるべく安定させることを意識していました。どんなに遅くても夜1時までには寝るように心がけ、翌日の勉強や生活に支障が出ないよう調整していました。そのため、生活リズムが大きく崩れることはあまりなく、安定した日々を過ごせていたと思います。
また、受験期はどうしても食欲が落ちがちでしたが、体調管理のためにも1日3食をしっかり取ることを意識していました。特別なことをしたわけではありませんが、心と体の両方を整えることが、受験を乗り切るうえでとても大切だったと今振り返って実感しています。実際に自分は、体調を崩して勉強ができなかった日はなかったです。
出願書類や実際の面接で苦労したことについて教えてください。
出願書類の作成にあたって、最初は「何を書けばよいのか分からず」、アイデアを出すこと自体に苦労していました。しかし、優子先生のアドバイスを受けながら話していくうちに、自分の中にたくさんのエピソードや思いがあることに気づき、次第に案がどんどん浮かぶようになりました。
むしろ途中からは、書きたいことが多すぎて、限られた字数にどう収めるかに悩むようになりました。でも、優子先生や両親の助けを借りながら、何度も推敲を重ねることで、最終的には自分でも納得のいく「自分らしさ」が伝わる良い作品に仕上げることができました。
実際の面接では、最初は非常に緊張していましたが、これまで積み重ねてきた準備を信じて話し始めるうちに、少しずつ落ち着きを取り戻し、最後の方には自然体で面接官と会話することができたと思います。
面接では、自分の意見を問われるような問いが多く、瞬時に考えをまとめて伝えることに苦労しました。正直に言うと、1〜2問はしっかり答えられなかったと感じています。ただ、それでも全体としては、自分の言葉でしっかり考えを伝えることができたという実感があります。
講師やスタッフとはどのように関わっていましたか?(メンタルケア・勉強の進捗確認など)
塾では、数回にわたってスタッフと進路について相談をさせてもらいました。その中で、自分では知らなかった大学や入試制度の情報を教えていただいたり、自分に合いそうな、あるいは有利になりそうな選択肢を提案してもらったことが、とても心の支えになりました。
実は私は、国際医療福祉大学の帰国生枠の1回目の試験には不合格となってしまいました。そのときは本当に落ち込んでしまい、「このまま別の一般入試対策に専念しよう」と思い、帰国生枠の2回目を受けることすら諦めかけていました。
しかし、塾の講師の先生との進路相談の中で、「もう一度チャレンジしてみる価値はある」と力強く背中を押していただき、私は再挑戦することを決意しました。そしてその結果、合格を勝ち取ることができ、今の自分があります。
もしあのとき、先生の後押しがなかったら、今とはまったく違う進路を歩んでいたかもしれません。あの相談が、私にとって大きな転機でした。
塾のサポート体制(質問対応・面談・weekly、monthlyテスト等)はどのように役立ちましたか?
一会塾の自習室は、本当に居心地がよく、他の塾の自習室とは比べものにならないほど快適でした。静かで集中しやすい環境が整っており、スタッフの方々の雰囲気も温かく、一時期は毎日のように利用していたほど、とても気に入っていました。
このような自習環境があったからこそ、長時間の学習も苦にならず、効率よく勉強を続けることができたと思います。
最後に受験勉強全体を振り返って感じたことを教えてください
今振り返ってみたら、私は帰国生枠で受験することができて本当に運が良かったと思います。結果的には、三年の五月に国際医療福祉のオリエンテーションに行った際に帰国生枠という試験のオプションがあることに気づいたことが大きな転機となりました。本来であれば、もっと早く調べておくべきだったと思いますが。皆さんも自分の行きたい大学の情報収集は早めに行っておくことをお勧めします。 私にはたくさんの選択肢があっていろいろと恵まれていた所があったと思います。その一方、特に三年の六月以降は推薦、帰国生枠、一般それぞれにある程度の力を注いだため、エフォートが分散されてしまった所もありました。実際、私は国際医療福祉大学の帰国生枠の第一回目の一次試験は不合格でした。帰国生枠の第二回目のテストは筑波大学医学部推薦入試の一週間前にありました。当時は、私は、帰国生枠試験一回目では一次試験すら通らなかったこともあり少し弱気になっていました。帰国生枠をあきらめて、推薦と一般に全てのエフォートを傾けようかと考えていた時期もありましたが、親と学校と塾の先生方の応援もあり、再度受験することにした結果、運よく合格することができ、目指していた大学への進学が決まりました。金子先生もよく言っていましたが、あらためて運って大切だなと思いました。自分なりに一生懸命頑張っていたら運がきっと訪れてくれると信じて、皆さんもその運が訪れた時には、自らの手で捕まえられるように是非頑張ってください。