医学部 帰国生枠・国際バカロレア選抜(IB)枠 出願可能リスト 受験科目・IB基準点・日程2025最新版と受験戦略

帰国生・インターナショナル生・国際バカロレア認定校生が、日本の医学部を目指す戦略
注目される帰国生・IB生!日本の医学部が帰国生枠(IB枠)を拡大中

中学・高校入試界隈では、昨今、帰国子女入試枠が着実に増えてきています。医学部に強い私立中高一貫校においても、帰国子女の英語力は大学受験では強力な武器になるため、帰国子女枠の増員、また帰国子女をターゲットにした特別入試がさまざまな形で繰り広げられています。 

 このような流れがついに大学入試の医学部受験にも押し寄せています。国際医療福祉大学や順天堂大学をはじめとした私立大学や、一部の国公立大学では近年、帰国生向けの入試を実施する大学が増えているのです。医学部医学科を置いている全42の国立大学のうち17校が公立大では、福島県立医科大学と横浜市立大学が帰国生入試および国際バカロレア(IB)入試を行っています。一般入試とは受験科目が異なる帰国枠(IB枠)入試においては、高校でどのようなテーマで研究を行ってきたかを説明するレポートの提出が求められたりして、大学側がかコストをかけてでも帰国子女という人材を取りたがっていることがわかります。現代の多様化する医療の現場でも、海外という異文化に触れてきた受験生、または国際水準の教育を受けてきた生徒への評価は確実に高まっているのです。日本の教育機関ではまだまだ帰国生に対応できる塾が少ない事情も相まって、一会塾でも海外在住の帰国生からの問い合わせがここ2~3年で急増しております。また実際に帰国生やバカロレア出身の生徒さんと接すると、一般の医学部受験生と違い、レポートのまとめ方が上手だったり、ボランティアや、病院実習、各種コンテストなどの経験も豊富で、かつそれをプレゼンする力も備えており、入学後も一目置かれる存在になっているのです。

【帰国生に医学部をおすすめする理由とは?】

現在、日本には32校の私立医学部がありますが、そのうち6校が帰国枠やIB枠を設けています。また、国立大学も全国に50校ありますが、そのうち約15校が帰国枠やIB枠を提供しており、海外帰国生に対する入試枠が増加しています。この流れは、医学部の国際化を進める上で重要な要素となっており、海外からの学生にとっても魅力的な選択肢となっています。 

さらに、世界的な円安により、海外留学の費用が高騰する中で、日本の医学部の学費が非常にリーズナブルであることが際立っています。例えば、アメリカの私立大学では1年間に約500万円が必要ですが、日本の国公立大学の医学部の学費は年間わずか60万円です。私立大学でも、例えば国際医療福祉大学は年間300万円、順天堂大学は年間350万円程度と、比較的リーズナブルに学べます。

【帰国生の医学部受験で大切なポイント

①日本の学科試験は受けず、IB資格を活かす場合

理想的には、IBで40点以上、最低でも38点以上が求められます。そのような大学には以下の大学があります。ほとんどの大学では学科試験は実施されません。

IB40点以上・・・・横浜医立大医学部

IB39点以上・・・・岡山大医学部

IB38点以上・・・・広島大医学部、東北大医学部(国際バカロレア入試)、筑波大医学部(基準点は公表されていないため予想)、鹿児島大医学部

IB36点以上・・・・高知大医学部

※日付がある場合は2024-2025年の日程です

 帰国IB入試科目定員 IB基準
東北大 (帰国生入試)1次:書類 2次11/16:個別学力試験(英語・数学・理科2科目)  (国際バカロレア)1次:書類 2次11/16: 英語留学生・帰国生・IB生で3名 IBは38点以上
筑波大 (海外教育プログラム特別入試)1次:書類・レポート  2次8/22:面接・口述試験  (国際バカロレア)1次:書類・レポート 2次8/19-22:面接・口述試験  ※7月募集はIB点とEE・TOK・CASの学習成果レポート/10月募集には学科有IBは見込点)8/28に合否出る 7月募集と10月募集で3名  
東京医科歯科大 10/1から東京科学大) (帰国生選抜)1次:書類 2次:2/25一般入試の数学と理科2科目  2/26:面接(プレゼン)  (国際バカロレア)1次:書類 2次:11/25小論文2種(図表型&生命科学)11/26面接若干名 2名
北海道大(国際総合入試理系)1次:書類 2次11/17:課題論文、面接(口頭試問で理科3科目)理系全体で10名 2年から医 ※IB点は明記されていないが35点以上か
福島県立医科大10/12:個別学力試験(総合問題:理数系の知識と現代文論述試験)、面接 ※同日開催の一般推薦入試と同じ問題(非公開:現地で閲覧可能)若干名(実質3名)
浜松医科大2/1:適性検査(理科3科目の知識必要)、小論文2種(1つは英語・数学を含む) 2/2:面接 若干名
群馬大2/25: 一般選抜前期の数学、物理、化学、小論文(英文含む) 2/26:面接若干名
富山大  2/25: 一般選抜前期の英語、数学、理科2科目、2/26:面接若干名
金沢大  2/25: 一般選抜前期の英語、数学、物理、化学)、2/26:面接若干名
九州大  2/25: 一般選抜前期の英語、数学、2/26: 理科2科目、小論文  2/27: 面接   若干名
佐賀大  2/25: 一般選抜前期の英語、数学、理科2科目、2/26:面接若干名
横浜市立大  1次:書類(6名以上で選考実施)   2次12/7   3次:書類(IB点確定後、発表は1/24)   2次:MMI(5つの面接室あり) IBで990点、面接で1000点の合計1990点満点2名 IBは40点以上
広島大   (光り輝き入試)10/18 書類:20点 面接:100点  5名 IBは38点以上
岡山大  8月募集は8/23に面接、10月募集は11/30に面接   書類:200点 面接:200点5名 IBは39点以上 (8月募集は3名、10月募集は2名)
鹿児島大     書類:300点、 2/3 面接:160点若干名 IBは38点以上

②IB認定校ではない、もしくはIBの資格点数は低いが必ず医学部に行きたい場合

IBで良い点を取れたら出願したいと考える方にとっては、IBのみを頼りに医学部を目指すということはかなりリスクが高いという結論に至ります。もし本当に医学部に進学したいのであれば、日本の数学・理科2科目の対策を体系的に、そして早い時期から少しずつ進めていくことが非常に重要です。

日常の学校の勉強が難しく感じる場合には、時間に余裕のある時期を利用して、一会塾のオンラインプログラムを活用する方も多くいらっしゃいます。今年、岡山大学のIB枠で進学した方も、最初に中学3年生か高校1年生の段階で一会塾と面談を行い、その後、IBの勉強をしっかり頑張り、最後の1年間は塾に通いながらIBで見事合格しました。やはり、早めに対策を始めた方が有利になっているということが実績で証明されています。

日本の高校数学の勉強は、中学3年生から始めるのが理想的です。遅くとも高校1年生から取り組み始めた方がよいでしょう。日本の数学は体系的に進めていく必要があり、特に入学試験を視野に入れると、2年ほど前から理科の勉強を始めることが重要です。最初は、化学から始めるのが一般的で、これを着実に進めることで、順調に学力を伸ばしていくことができます。

IBで36点以下である場合は、主に基準点のない大学を探します。ほとんどの大学で学科試験が実施されます。

国公立大学では・・・

北海道大、東京医科歯科大、福島県立医科大、浜松医科大、東北大(帰国生入試)、高知大医学部

私立大学では・・・・

慶應義塾大、国際医療福祉大、順天堂大医学部、埼玉医科大、愛知医科大、関西医科大(特色入試の英語型)

などになります。順天堂大では、IBやSATなどの基準点に満たない生徒には、2次試験として「共通テスト」または「EJU(日本留学試験)」を受験すれば良いとされています。

※日付がある場合は2024-2025年の日程です

 帰国IB入試科目定員 IB基準、対策ポイント
順天堂大 (お茶の水)(すべて日本語) 1次:10/15 小論文(絵or写真)・自由英作文 10/16面接 30分1回 2次:IB / SAT / Aレベルなどで免除、またはEJU or大学入学共通テストを受験、併願可 SAT_1450点以上、IB_40点以上で2次免除留学生5名、帰国生2名 IB&ケンブリッジ2名 IB40点以上なら2次免除 未達の場合はEJU or大学入試共通テスト ※EJU:日本留学試験
IUHW(成田) 試験は赤坂(すべて英語)1次:数学、理科2科目、英語小論文 2次:英語面接30分2回、併願可  選抜は2回ある。1回目:9/3   2回目:11/23   2次面接は1次発表から4~5日後。若干名(毎年5名程度) 英語で出題される数学・理科はEJUで勉強してください、と大学側が説明
慶應義塾大 (信濃町)(すべて日本語)1次:書類 2次:9/29数学、模擬講義(医学について)面接 数学筆記試験は帰国枠で初めて(難易度は不明) 模擬講義は医学部に関するもの理解力・質問力・ディスカットション力を問う若干名 ※受験は1回のみ (2年目以降は受験不可)
埼玉医科大 (毛呂山)(すべて日本語)11/24 適正検査(数学ⅠA・ⅡBを30分 / 理科2科目60分 / 英語30分 )  面接(現場で面接記入表を書いて面接) ※適正検査はすべて記述式 ※同日開催の学校推薦型選抜試験と同じ問題、専願若干名 ※IBの基準点はなし  
愛知医科大  (すべて日本語)11/23 適正検査60分 面接  ※適正検査の内容は不明。5段階評価なので小論文の可能性あり若干名 ※IBの基準点はなし  
関西医科大(すべて日本語、面接は別途英語面接が追加)、併願可 1次:11/23小論文50分、適正能力試験130分(日本語読解、英文読解、数学、理系問題) 2次:11/30面接(英語型受験生は別途に英語面接がある)※帰国枠ではない。英語型(英語資格試験で受験可)、国際型(IB_36点以上で受験可)5名(英語型・国際型・科学型) 国際型はIB_36点以上

【帰国生に特におすすめの国公立大医学部とは?】

現在、注目を集めているのが福島県立医科大学です。この大学は、若干名の募集枠であるものの、実質的に各学年に3名程度の帰国生を受け入れています。今年は、一会塾から2名の学生が一次試験に合格し、そのうちの1名は順天堂大学に進学しました。その結果、福島県立医科大学はその学生の進学先が決まった後、2次募集を行い、その枠に一会塾の別の学生が入学しました。

このように、帰国生枠を積極的に活用し、確保しようとする姿勢が見られるのが福島県立医科大学の特徴です。また、筑波大学も帰国生枠に関して意欲的であり、帰国生の受け入れを積極的に行っています。一方で、帰国生の受け入れに対して足踏みをしている大学も存在します。

【理科の選択科目について】

医学部入試の理科科目について触れておきます。理科には物理・化学・生物があります。理科は主に生物と化学が中心で、物理は大学入学後にはあまり使われません。しかし、一部の国立大学(群馬大、金沢大)では物理と化学を必須科目としているため、物理を受けないと入試に合格できないことがあります。志望校の入試要項を確認し、物理が必要かどうかを確認することが重要です。

【海外と日本の理科と数学の違い】

海外の数学と日本の数学の違いについてです。
①海外は計算機を使用。
②海外の数学はテーマ拡大型で発表型。日本の数学は座学で緻密な積み上げ式。
③海外の医学部受験生は面接プレゼン論文などが得意、日本の受験生は知識系の学科問題が得意。

国際医療福祉大学の試験内容(留学生・帰国生特別選抜)
国際医療福祉大学では、すべての試験が英語で実施され、独自の入試が行われます。受験科目は1次試験が、①数学、②理科2科目(物理、化学、生物の中から2科目)③英語、④小論文(英文エッセイ)です。また、2次試験では、30分間の面接が2回行われるという非常に充実した内容となっています。この英語での数学・理科の対策について入試説明会で大学に質問したところ、「EJU(日本留学試験)の勉強をすることをおすすめします。」とアドバイスを受けました。

順天堂大学(国際臨床医・研究医選抜)
順天堂大学のIB枠では、IBスコア40点以上であれば、2次試験が免除となります。2次試験は通常、大学入試共通テストまたはEJU(日本留学試験)の受験を示しますが、多くのIB枠や帰国生は11月のEJUを受けるため、実質的に2次試験を免除されているケースが多いです。このことから、帰国生やIB生の多くが大学入試共通テストではなくEJU(日本留学試験)を受験する傾向にあり、IBスコア対策に力を入れている学生も多いという現状があります。


もともとこの日本留学試験(EJU)は、外国人留学生が日本の大学に入りたいときに、日本語または英語のいずれかの言語を選んで受ける試験となります。EJUでは日本のカリキュラムに沿った各科目の試験受が設定されています。日本の医学部は、海外からの帰国生に向けて特にIBを取得していなかったり、IBの得点が自校の基準を下回る受験生に対してこの日本留学生試験を代わりに受けてください、という大学が結構あります。そこで一会塾では毎年、EJU(日本留学試験)の対策授業を実施しています。

【一会塾のEJU(日本留学試験)対策】

一会塾では、インターナショナルスクールやその他の海外現地校において、英語で数学や理科を学んでいる学生を対象に、英語と日本語両方で問題を解く訓練を行っています。具体的には、数学ⅠA、ⅡB、ⅢCに加え、物理、化学、生物の専門用語を日本語と英語の両方でスムーズに行き来できるように指導しています。この能力を身につけることが、入試において非常に重要なポイントとなります。

【日本留学試験の出題範囲について】
数学ⅠA、ⅡBを中心に学ぶベーシックコースと、数学ⅠA、数学ⅡB、ⅢCを対象にするアドバンスコースがありますが、医学部を目指す場合、アドバンスコースでの受験が求められます。アドバンスコースでは、特に日本留学試験に必要な数学の範囲が広いため、重要です。実際に、数研出版の教科書と日本留学試験の出題範囲を比較すると、試験はすべての範囲からバランスよく出題されています。これが、積み上げ式の日本の数学の特徴であり、基礎から応用まで一貫して学ぶ必要があることを示しています。

一会塾で、IB点で医学部合格を勝ち取った方の体験記はこちら

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