内矢智貴さん
東京都立大学 都市環境学部 観光科学科 現役合格
日本大学高校
インタビュー時期:2021年8月
―観光科学科は、どんなことをする学科ですか。
観光について色々な側面から学びます。大きく分けて自然環境と地域計画と、あとは行動学とかなどの経済学の3つの分野から成っています。 1年から2年の前期にかけては、3つの分野を総合的に学ぶっていうカリキュラムになっていて、2年の後期からその3つの分野を専門的に学んでいくという感じです。
―観光という言葉が付く学科を持っている大学というのは、そんなに多くはないですよね。やっぱり観光にこだわりを持って入学してきている人が多いですか。
やっぱり旅行とかそういうのが好きな人が結構多いですね。コロナ前までは休みの時には色んな所に行ったりしていた、といった人もいます。
―それで大学1年生の時に、今までと全く違う状況になって。1年生の前半はほぼ通っていなかったですか。
全く通ってないです。1年生の後期からはちょっとずつ行けるようになりました。
―一般的に、新歓コンパだったり、1年生の楽しいイベントが全部つぶれてしまったと思うんですが、今、友達関係とかはどうですか。
今は大分友達ができました。サークルも始まって、中高の部活動の流れで吹奏楽を続けているんですが、そこでの繋がりとか、学科内での繋がりも増えました。
―そうなんですね。高校はどちらでしたか。
日本大学高校です。
―日大日吉っていうところですね。1学年15クラスぐらいある高校ですよね。その中で、高2の冬に一会塾に来たというのは、日大に行かないとすでに決めていたからですか。
そうですね。これといった理由は無いんですけど、外に出たいなって何となく思っていました。
―そういう人は進学クラスみたいなのを選ぶんですか。
そうです。特別進学クラスというのがあるので、そこに移る人が多いですね。15クラス中4クラス特別進学クラスがあります。文系2つ、理系2つです。
―それは試験で決まるんですか。それとも希望すれば行けるんですか。
入試で一定の成績を出せれば、特別進学クラスには行けます。
―内矢くんはずっと特進。
高1だけそのクラスにいたんですけど、高2の時に部活に専念したいっていう理由で、日大に行く人が多い一般の総合進学クラスに移りました。高3でもクラス変更ができないので、そのまま総合進学クラスでした。
―一会塾はどうやって知ったんですか。
親が塾探しを手伝ってくれたんですが、こういう塾があるよっていうのをいくつか教えてくれました。その中で一会塾は高校のOGの方がスタッフをされていたというのが決め手でした。
―なるほど。最初に受けた授業とか先生って、印象覚えてますか。
一番印象に残っているのは、トライアルで鍋谷先生の英語の授業を受けたんですけども、その時にすごい分かり易くててびっくりしたという覚えがあります。
―わかりやすいっていうのは、長文なのか文法なのか、それとも学校の先生との違いにおいてですか。
文法の授業だったんですけど、すごく理論立てて説明してくださっていたので、そこが学校の授業と全然違うなっていうのを感じました。学校の授業の雰囲気は大分のんびりしていたので。テストとかも授業で習ったものがそのまま出る感じで、しかも選択式なのでなんとかなるだろうみたいな。
―多くの人が大学進学を約束されているクラスだったから。でもそういう雰囲気の中で内矢くんは貫いたんですね。不安じゃなかったですか。
精神的にめちゃめちゃ辛かったですね。自分が勉強せざるを得ない中で、周りはどんどん推薦で合格していくので、なんかもう、1人アウェイの中で戦っているような状況が。公募推薦で決まったんですが、特に10月ぐらいから合格が出た12月5日までは苦しかったです。
―一般入試ではなく、公募推薦を狙ったのはなぜですか。
もともと一般ではなく推薦で受けたいという思いが強かったので。自分で言うのもなんなんですが、学校の成績は結構良かったのでずっと推薦狙いでした。大学探しで、都立大の観光科学が自分のやりたいことにマッチしていて、且つ推薦もあるということを知って、受けようと決めました。
―色んな大学がある中で、やりたいことがあったっていうのは、パンフレットを見たのか、セミナーみたいなものに行って気付いたのか、どうやって探したんですか。
一会塾で推薦の授業を受けていて、大学探しも手伝っていただいていて、色々話をしていく中で、じゃあこことかどうみたいなのを提案していただきました。
―提案があったんだね。それは高橋優子先生ですね。
はい、高橋優子先生に提案していただきました。
―実際評定はいくつだったんですか。
4.7でした。都立大の推薦条件は評定が4.3以上、ということくらいだったので出せました。
―本番の試験では何を受けたんですか。
一次で書類審査があって、二次で小論文と面接です。
―なるほど。書類は何を書いたか覚えてますか。
東京都心の水上交通について、こういうことをしてみたいっていうことと、その為に自分はここで学びたいですという趣旨のことを書きました。
―志望理由として水上交通についてのことを選んだんですね。どれぐらいの文量でしたか。A4用紙1枚ぐらい書く感じ。
そのくらいの量だった気がします。
―A4用紙1枚に基本情報を書いて、志望理由を800字とか1200字とか書いて、一次通過したと。二次は小論と面接でしたね。小論は90分とか。
90分でした。 テーマは、ワールドカップとか国際的な大会の入場者数とか統計情報が表にまとめてあって、そこからどういう動向が読み取れるかみたいな。確か、1000字以内とかで。
―面接はどれぐらいの時間でしたか。形式は、3対1とか。
15分ぐらいだった気がします。教授が8人に対して、1人でした。
―えっ、8人もいたんですか。それは、結構きつそうです!(笑)
もうホントそうなんですよね。(笑) 前年の情報を見た時に、5~6人対1だったので、ある程度覚悟はしてたんですけど、とても緊張しましたね。
―8対1なんて初めて聞きました。質問する人は1人とか2人しかいないんですよね。
いや、わりと4~5人とかで回してましたね。あとから考えると、学科のほとんどの先生が来てました。
―先生達もちゃんと関心があるんですね。すばらしいね。
―観光学科自体は何人の定員かわかりますか。
1学年30人ですね。推薦枠は5名でした。
―その時の受験者総数ってなんとなくわかりますか。
受験者総数は覚えていないんですけど、推薦の倍率が5~6倍でした。
―それだと、30人は受けに来てるんですね。30人受けに来て5人の中に残れた、すごいですね。
―わからないとは思うんだけど、合格のポイントは何だったと思いますか。
個人的な見解なんですけど、学科の区分は理系なんですけど、その中で文系もOKだったんです。なので文系出身且つ志望理由とか態度が好意的に評価されたのかなって。話しててもそれはすごく感じたので、手応えはすごくあったなっていう。
―なるほど。それは面接中に感じたんですか。君は文系なんだって珍しがられたとか。
志望理由の水上交通について話した時に、教授のお1人が、ぜひ東京都の職員に推薦したいぐらいですねっていうことを仰っていたので。
―えー、すごい!そんなこと言ってくれないですよ、普通。その肝って何だったんですか。何について調べたり書いたりしたのかな。
都心の水上交通についての現状を簡潔に述べて、その後自分のビジョンみたいなものを話しました。
―志望理由を読み込んで、ある程度教授も興味を持ったうえで、「この子には実際どれぐらいの意欲があるのか」を聞いたら、ビジョンを話せたと。それが評価されたということですね。
はい、多分そうかなっていうふうに思います。
―その元となった志望理由を書くのに、どれぐらいの時間を使ったか覚えていますか。
大体2か月ぐらいかかった気がします。書き直した回数は、数えきれないほどでした。文章の構成とか練り直したりして。
―それは1人でやったんですか。
優子先生と宮下先生に見ていただきながら考えました。
―なるほど。優子先生も宮下先生も文系の指導をわりと長くやってきてるから、魂があるんですね。そんなんじゃダメよ!みたいな。(笑)
すごいありましたね。(笑) でも、本当に感謝しかないです。
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―ビジョンは、どういうものか覚えてますか。都心の交通はこういう所がまだまだ駄目だから、こうなればいいみたいなことかな。
そうですね。現状として東京湾から日本橋にかけての水上交通は観光として一応機能しているけど、それ以外にも東京には水路がいっぱいあって、例えば羽田空港の周辺だとか、そういう所をもっと活用して、水上都市としての観光を推進していくべきだみたいなことを書きました。
―なるほど。その着眼点はなかなか素晴らしいですね。そういう風に攻める人は初めて聞きました。意外と東京都は水に囲まれていて、水の都みたいな感じで、それを利用しない手はないと、そういう話ですよね。すごいすごい。
―学科試験無しで受かったんですよね。あとで共通テスト受けてその結果次第で落ちるとかはない。
ないです。
―素晴らしい。いい受験ですね。
―東京都立大学は大学自体大きいですか。
中規模ですかね。学部は6つぐらいで。
―観光科学科自体は30人で、都市環境学部全体は150人ぐらい。
もうちょっと多い気がしますね。学科によっては100人単位のところもあるので。だいたい400とか500とかになります。
―最後に塾でのことをお聞きしたいんですけど、高3の時に受けていた授業名は覚えてますか。
国語は古文を受けていて、英語は英文読解を受けていました。あとは日本史ですね。
―もちろん推薦は、決まるまでは一般を考えながらだから、受験用にやってたんですね。
―河合塾の模試とか、一般受験生用の模試はある程度受けていたんですか。
受けました。
―その時の感触って覚えてますか。
すごい絶望的な結果でした、もし推薦がダメで一般入試になってたら、どうなってたんだろうっていうのが率直な感想です。
―そっか。(笑) 推薦ってすばらしいね。でも、30人受けて5人しか受からないんだから推薦も大変ですよ。5~6倍だったら大したものです。実際大学に入って、一般で入った人と差を感じたりはしないでしょう。
それは大丈夫です。
―そうですよね。じゃあ日大に進んだ人たちとは全然違う人生になったね。
そうですね、そう思います。
―今日は、とても貴重な体験を聞かせていただきありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。