福島県立医科大 医学部 医学科
海外教育プログラム選抜 現役合格
T.Fさん(米国高校出身)
数ある予備校の中から、一会塾を選ばれたのはなぜですか?決め手はどこでしたか。
医学部の帰国入試について検索したところ、数々の関連する合格体験記を見つけたのがきっかけです。一会塾は過去の帰国入試のデータや模擬問題集があったり、海外からでもオンラインで授業が受けられたりと、帰国子女向けの対策がしっかりしているため入塾を決めました。
入塾はいつ頃からでしたか。
1月にzoomで面談をし、2月からオンラインで個別授業を始めました。担任の佐藤先生が、私の当時の現状や目標設定など、親身に相談に乗り、私に合う授業や先生などのカリキュラムを組んで下さり、大変助かりました。そしてアメリカの高校卒業後、日本に帰国した6月からは、対面で塾に通い始めました。
体験授業を受けた場合 科目、先生とその印象はいかがでしたか。
化学、数学、生物の体験授業を受けました。時差の中オンラインであるにも関わらず、どの先生も私の状況や要望に応じて臨機応変に対応して下さいました。
化学の先生は、初回から、とても分かりやすく簡潔にまとまった板書と、周期表元素のインパクトのある語呂合わせで、基礎知識を丁寧に教えて下さいました。数学の先生は、iPadのノート(Good Notes)の使い方を熟知されていて、きれいな板書をiPadに書き込みながら、対面との差を感じさせないくらい、スムーズに授業を進めて下さいました。生物の先生は、自身の高校や大学指導の経験をもとに、生徒が覚えやすいような生物にまつわる面白い具体例や体験談などを話して下さり、印象に残りました。
どの先生も共通して、私の細かい疑問に答えて下さったり、関連する例と共に教えて下さったり、様々な工夫をして頂いてありがたかったです。
高校生活について教えてください
高校は、アメリカのボーディングスクールに4年間(9年生から12年生)通いました。授業は通常レベルの他に、一定以上の成績基準を満たせば受講できる、HonorsやAP (Advanced Placement)又はAT (Advanced Topics)と呼ばれる、上級レベルのクラスが設けられていました。
HonorsもAP/ATも、通常レベルよりもGPA(アメリカの教育制度でよく使われる成績指標)が高くつく(0.5多くもらえる)授業制度で、主な違いは大学単位取得資格の有無です。Honorsは大学単位の取得はできませんが、AP/ATはできます。AP/ATクラスは、高校在学中に大学レベルの学習範囲を学び、毎年4月に行われるAP試験の本番で合格基準を超えると、科目ごとに、大学の授業単位を取得する事ができる仕組みです。
自身の高校は進学校だったため、大学進学へのサポートがしっかりしており、11年生からは、生徒1人1人にカレッジカウンセラーという大学の進路相談をして下さる先生が付きました。もちろんアメリカの高校なので、周りの友達は皆アメリカの大学進学を目指しているなか、自分は以前から大学は日本に行きたいと漠然と思っていたため、結局そのまま、一会塾にお世話になりながら日本の受験勉強を始めました。
仲の良い友達を含め、周りとは違う受験状況だったので、時折お互い理解し合えなかったり、時差の中、学校と塾の宿題を両立したりと、大変なことも多かったです。しかし、やはり学校の成績が取れないと元も子もないので、高校の勉強に力を注ぐあまり、塾の宿題が疎かになってしまうことはありました。ただ、今思い返せば、当時そうやって学校の勉強にしっかりと取り組み、良い成績を収めたことが、今回の合格にも繋がったと感じています。
私は、自身の高校で勉強以外に、課外活動に特に力をいれていました。コロナ禍を経て、10年生の終わりに、友人と2人で、国際交流や文化体験にまつわる部活を新しく立ち上げ、その企画や進行を務め、月に2回のペースで活動をしていました。また、その他にもリーダーシップに関わる役職にいくつか就いており、学校の様々な場面で貢献していました。今回海外選抜プログラムで合格を頂けたのも、そうした留学先でしか経験できない活動に、多く携わっていたことも大きいと思っています。
どのような経緯で医学部を志望されましたか?
医学部を志望したきっかけは、もともと心理学に興味があったことです。幼い頃から、人の心理や、人間という存在自体に興味を持ち、色々なことに深く疑問を持つ性格でした。小学生の頃は、仲の良い友達からよく相談されたり、自分も日々の学校生活や人間関係についてストレスを抱えたり悩みを持つことが多かったなか、自ずと、人の心について、より興味を持ったと思います。中学で小説から自己啓発本などへと読む本の幅が広がったこともあり、心理学に関連する本を沢山読むようになりました。
また、そうした興味もあり、高1の夏休みには、アメリカの有名大学が行なっている高校生向けのサマープログラムに参加し、「精神病理学」という心理学関連の分野の講座を受講しました。そこで改めて、人間の心は、元を辿れば脳から生じていることに気付かされ、医学的な観点からみた心の働きを知ることができる、脳科学に興味を持ち始めました。そして、この講座を通して、脳内物質などを介して、人の心と身体がいかに密接に関わっているかをより深く実感したことが、本格的に医学の道に進もうと後押しする動機となりました。
心だけでなく体全体を見る医学に関心を持つようになった私は、高2の夏には上記と同様のサマープログラムで、今度は医学の講座を受講しました。その講座は、同大学の医学生によって教えられていて、医学部生活をより身近に感じられるようなカリキュラムになっていました。医学で重要な倫理観や患者ファーストの精神、問診の重要性などに加え、基礎的な医学用語など、多くのことを学び、とても良い機会になりました。このような経験を経て、医学への関心を徐々に高めた私は、医学部で人の心と身体についてより詳しく学び、将来は、両方を総合的に診れる医師になりたいと思うようになりました。
一会塾で受講された授業について教えてください。
私が主に受講していた授業は、数学、生物、化学です。それに加え、英語や小論文、面接対策も、受験直前期には、必要に応じて受講させて頂きました。どの先生方も、私の実力や要望に合わせて親身に教えて下さり、ありがたかったです。
数学の先生は、私の弱かった分野から優先して教えて下さり、毎授業後、沢山の類題が載ったプリントを下さっていたのが、良い練習かつ復習となり、本当に助かりました。
生物の先生は、私が持つ細かい疑問一つ一つに丁寧に向き合い、図や単純な言葉を使って、解決するまで様々な角度から説明して下さったので、勉強になりました。
化学の先生は、オンラインと対面の両方で、最も長い期間お世話になりましたが、始めた当初から変わらず、安定していつも板書が分かりやすく、話も面白かったです。
英語の先生は、私がアメリカにいたにも関わらず知らないような、様々な受験特有の文法を、噛み砕いて頻出の例文や例題とともに教えて下さり、学び甲斐がありました。
なかでも、私の恩師ともいえる、宮下先生の小論文と面接対策は印象に残っています。常に生徒思いで熱心なご指導をして下さり、的確なアドバイスを正直に伝えて下さり感謝しています。頂いた言葉一つ一つが、自分の弱点を見つめ直し克服していく上で、大変役立ちました。
受験当日の様子は覚えていますか?
試験当日は、数学と理科の口述試験と面接を受けました。口述試験では、目の前の試験官2人の方に答案を書いて説明する形式でした。初めは緊張していましたが徐々に緊張がほぐれて実力を発揮することができました。
面接では、主に自己推薦書(福島医大で志望理由書にあたるもの)に書いていた、高校の活動や留学先の経験について聞かれました。また、そこで得た学びや気づき、価値観などについて深掘りする質問が多く、とても人間性を見られている感覚がありました。先生方は皆話しやすく、落ち着いた雰囲気の中受験することができました。
オンライン授業について、また対面授業についての違いはありましたか?
オンライン指導と対面では、それぞれのメリットとデメリットがあると思います。オンラインは遠隔に住んでいても受講できることだったり、通学時間が削減できたりなど・・・、対面授業のメリットは質問がしやすいと言うことです。もちろんオンラインでも聞けるのですが、対面だと、直接その場で顔を見ながらわからない板書の箇所を指さしたりして聞くことができるので、ありがたかったです。
塾のスタッフさんは、オンライン授業の予定確認や宿題などについてLINEでやり取りする際、私と各科目の先生の間で、仲介役として、いつもスムーズに連絡対応して下さいました。
今回の合格は何がポイントだったとご自分でお考えですか?またこれから受験する人にひとことアドバイスをお願いします。
今回の合格のポイントは、出願書類や面接で自分の強みをアピール出来たことだと考えています。4年間の学校の成績が良かったことや、様々な課外活動に一生懸命取り組んでいたことが評価されたのだと思います。
学校の勉強を優先するのはもちろん。それに加え、自分が情熱を持って友人と立ち上げた部活動や、受け持つリーダーシップの役割には、最後まで責任を持ってやり通すことができたと思います。
これから私と同じように受験する帰国生へのアドバイスは、まずは学校の勉強や活動に精一杯取り組むことです。受験の際、高校での良い成績は当然評価されますし、現地でしかできない経験があればあるほど、受験書類や面接でのアピールポイントが増えるはずです。