高橋大貴さん
麻布大学 獣医学部 獣医学科
聖学院高校
―麻布大学 獣医学部 獣医学科、合格おめでとうございます!
ありがとうございます。
―5年かけて、ようやく手にした悲願の合格が麻布の獣医。最高の結果だよね。すばらしい。ここまでがんばってきて、本当によかったね。
本当に、よかったです。
―合格がわかったときは、どんな気持ちでしたか?
発表当日は、どうせ無理だろうと思って、いつも通り自習室に来ていました。合格発表の時間になったので、とりあえず見てみるかと思い、サイト接続のボタンを押したら、まさかのフリーズして(苦笑)
―それは、心臓に悪いね!
ほんとですよ。もう一度押したら無事「合格」の文字が表示されたので、感極まり、いつも気にかけてくれていた塾スタッフの濱田さんに急いで報告しました。そうしたら、泣いて喜んでくださって・・・
受付スタッフの濱田
恵比寿校の受付
―泣いてくれたんだ!高橋くんのこと、最初のころからずっと気にかけてくださっていたので・・・
そのまますぐ母に報告したら、母も泣いてくれて、頑張ってきてよかったと心底思いました。
―愛されていますね。先ほど「合格はどうせ無理だろうと思った」とおっしゃっていましたが、手応えが感じられなかったのかな?
正直、難しかったです。ただ、数学が難しかったんですけど、難問なら周りも落としているはずなので、他の科目で点数が取れていれば、もしかして、可能性が若干あるかもしれないな、とは思っていました。
―「若干あるかもしれない」レベルだったんだね(笑)
そうなんです。解答用紙も回収されてしまうので、持ち帰って見直すこともできず、点数の予想がつきませんでした。
―でも確かに、難問であれば他の受験生も苦労している、というのは、その通りかもね。
鍋谷先生がよくおしゃっていたんです。「簡単な問題ほど注意しろ。簡単なら周りもできているから、自分だけがミスしたら負ける。逆に難しい問題なら、周りは諦めている可能性もあるから、それはチャンスになる」と。数学が難しくても、この言葉を思い出して、落ち着いて解くことができました。
英語科 鍋谷講師 ↑詳しくは写真をクリック
― 一会塾に入塾してくれたのは浪人のときですが、現役のときも受験はしましたか?
高3のときに獣医志望を固め、受験しました。生物は得意だったんですけど、他の科目は、今の学力とは比にならないほどひどかったので、獣医学部はもちろん、他の学部も全滅でした。
―浪人1年目は、どこか予備校に通われましたか?
最初は塾に通って、しっかり受験するつもりだったんですけど、色々あって受験できる状況ではなくなってしまって・・・
―何があったか、お伺いしてもよろしいですか?
実は、自分は2年くらい引きこもり状態だったんです。
―そうなの!?
高校の頃も、予備校には通っていなくて、でもそれは勉強が嫌だったのではなく、人と接することに恐怖心を抱いてしまっていたからなんです。中1の頃から、持病がもとで周りの人に心無い言葉をかけられ、強いコンプレックスを感じるようになりました。部活も、入部はしたものの、行かなくなってしまって。誰にも相談できずにいたのですが、高3の春、このままではいけないと思い、母親に手紙で心の内を伝えました。直接は言いにくかったので。
―おそらく想像をはるかに超える、大変な6年間だったんですね。
はい。どうして自分だけ?と毎日思っていました。自分の気持ちを知った母は、勉強なんていいから治療をと、クリニックや病院で色々な治療を受けました。総額で、数百万はかかっていると思います。
―でも、今の高橋くんは、外見上は全く問題なさそうだから、治療の成果はあったのかな?
はい、かなり改善してきました。
―よかったですね。
本当に、道を踏み外さなくてよかったと思います。高校の時に、カリキュラムの一環で沖縄に行ったんですけど、現地のヤンキーに絡まれたりもして、対人恐怖症のようになり、高校も休みがちでした。学校の勉強は真面目にしていたので評定はよかったですけど、出席日数が少なく、推薦も難しかったです。そこから2年間引きこもっていたので、何度も思い詰めて・・・思い詰めていたらと思うと・・・こわいですね。
恵比寿校 掲示板(学力到達度テストやクラスごとの小テストなどを掲示)
―そこから、大学受験しようと奮起したのは、何かきっかけがあったのですか?
きっかけがあったというよりは、専門的な知識を学べる大学に行きたいとは、ずっと思っていたんです。浪人して再度大学受験を決意し、最初は医学部を目指そうと思い、医学部受験に特化した予備校を探し始めました。
―たくさんある予備校の中で、なぜ一会塾を選んでくれたのですか?
入塾前の面談で、話しにくい家の状況なども全部お話したとき、一番親身になってくれたのが一会塾だったからです。
―なるほど。そして、一会塾1年目、真面目に勉強していたと思うけれど、医学部を受験されましたか?
はい。医学部を5~6校受けたんですけど、不合格でした。そもそも、生物以外の科目は、ほぼ学力ゼロからのスタートなので、そう簡単にはいかないですよね。
―そして、翌年も一会塾で頑張ってくれました。
やはり、入塾後もとても親身になってくださって、自分のこともよく理解してくれていたので、そのままお世話になろうと決めました。
―そしてその年に、コロナで授業がオンラインになってしまったんだね。
本当に、タイミングが悪かったです。なんでこのタイミングなの?と(苦笑)自分はコロナがこわかったので、授業は全てオンライン参加にしていました。そうするとまた、塾に行きにくくなってしまい、結局塾にはほとんど顔を出しませんでした。
―気分転換というか、たまには塾に行きたいな、とは思わなかった?
そうですね。最初からオンライン受講にしてしまって、クラスも知らない人ばかりだったので。一度だけ授業に出席したことがあるんですけど・・・・なんとなく、更に行きにくくなってしまいました(苦笑)
―なるほど。でも、授業はほとんど皆勤で出席していましたね。
はい、授業を休むことはしなかったです。
―それもすごいよね。根本的に意志は強い人なんだろうと思います。オンライン授業でも、ある程度、力はつけられましたか?
基礎は固められたと思います。特に前期は、モチベーションも高かったので。でも、途中で国立志望に切り替えてから、全体的に勉強速度が失速していきました。
―そして、失速のまま受験本番?
あまり、良い状態ではなかったですね。
―なるほど、そして今年、5年目(実質は3年目)の浪人生活ですね。コンディションはいかがでしたか?
前半はペースダウンしていました。元気だった祖母が脳梗塞で倒れてしまい、生活が激変してしまったんです。手伝うこともたくさんあり、勉強だけに集中することができませんでした。
―大変なスタートでしたね。
でも、授業にだけは必ず出席していたんです。
―その時は、対面授業?
はい、対面です。
―1年間、塾に来てしっかり授業を受けていたことが、もしたしたら合格の鍵となったのかもしれませんね。最初はやはり医学部志望?
10月頃までは国立の医学部を目指していたんですけど、医学部は厳しいなと思い、獣医に切り替えました。理科も、12月までは化学専攻だったのですが、生物に切り替えました。
―やはり生物のほうが得意ですか?
どちらかというと、生物ですね。スタッフの関さんとも相談し、応用がきくのは生物だということで、科目変更を決意しました。獣医も、化学は比較的易しいんですけど、生物が難しいので、点が取れれば有利ですし。その他の大学も、全て生物受験で臨みました。
進路指導スタッフ 化学担当 関(せき)
2021年の4月 開講式の様子(川浦校舎長)
―生物受験に変えてよかったですか?
生物に限らずですが、オール生物受験にしたことで、受験本番でもいろいろな種類の問題に触れることになるので、受験しながら新しい知識を吸収したり、忘れかけていた知識を思い出したりでき、自分にとっては正解の選択だったと思います。
―獣医学部は、生物ワールドだからね。アドバンテージになってくれると思います。
改めて、麻布大学獣医学部への進学が決まり、今の気持ちを聞かせてください。
麻布か日獣か、どちらかに行きたいと思っていたので、合格できて本当によかったです。過去問も、麻布の過去問を一番研究していて、英語は知らない単語をピックアップしながら10年分やりきったので、ようやく成果が形になって嬉しいです。
―過去問研究は大事ですよね。
一会塾の『メディカル英単語』も活用しました。専門用語含め多種多様な単語が載っているので、問題を解いていて知らない単語を調べたり、辞書代わりとしても使っていました。
『メディ単1000』 毎週50個ずつの小テストがある
―ありがとうございます。
―では最後に、今浪人を重ねている受験生にアドバイスをお願いします。
いま同じように何年もがんばっているような人に言いたいのは、本当に自分を信じてやり抜いて欲しいということです。浪人を重ねている人にしか分からない苦労もあるけれど、逆に、浪人したからこそ得られる知識や経験、体力や精神力があります。それは絶対に無駄にはならないと思います。実際、自分も、この5年間で大きく成長できました。一会塾と出会えていなかったら、今の自分はなかったと思います。きついとは思うけれど、一日ずつ、一歩ずつ努力していけば、結果は必ずついてきます。目標に向かって、諦めずに頑張ってもらいたいなと思います。
そして
浪人できる環境にいる事、助けてくれる人がいる事をしっかり心に留めて全てに感謝し、勉強に打ち込んでほしいです。
―素晴らしいアドバイスをありがとうございます。高橋くんも、受験生として得たモノを忘れずに、大学生活を堪能してください!本日は、貴重なお話ありがとうございました。
ありがとうございました。