Sくん
聖マリアンナ医科大 医学部 医学科 推薦入試<神奈川県地域枠> 合格
桐蔭学園高校
―受験は、最初に出願したのが、聖マリアンナ医科大学の推薦でしたね。聖マリアンナの推薦について教えてください。
推薦が3種類あって、まず一番多いのが指定校推薦と、2つ目が一般公募推薦。3つ目が、2020年(令和2年)から新設された神奈川県の特別地域枠で、各定員が上から順に20名、10名、5名なんですよ。僕は指定校は桐蔭中等じゃなかったので(指定校には出せず)、一般公募推薦と神奈川県の特別地域枠の併願という形で出しました。
↓2022年 入試要項より
※最新(2022年)の推薦入試要項はこちらからご覧いただけます。
―失礼な質問ですみません、それで、Sさんは、一般公募は通過しなかったんですよね。
僕は、神奈川は受かっていたんですけど、もし両方受かったら神奈川が優先されるというので、そうすると自動的に落とされちゃっているんです。だから果たして点数的に受かっているのかどうかが分かりません。
―確率を高めるために両方出したんですね。きっとSさんなら、一般公募制も受かっていたと思いますよ。
うーん、そうかもしれませんが、こればかりはわかりませんね(笑)。
―なるほど。一般に、医学部では、指定校でもばんばん落ちるという話ですが、定員20名に対して55人か56人ぐらいは指定校に臨んだんだということですかね。
多分そういうことだと思っています。
(※実際には、 2020年の聖マリアンナ医科大の指定校推薦志願者は57名で、合格者は23名でした。2021年の指定校志願者は75名で、合格者は20名でした。指定校でもかなりの倍率が存在しています。推薦入試が年々人気になっていることが分かります。)
―そのうち20人が定員だから、35人ぐらい落ちると。医学部では指定校でさえ、実際は難しいんですね。
多分今年そうだったんですよね。さらに指定校がもっと不利になる条件があって、フルで(3つの方式すべてに)出している人が本当にいたんですよ、すくなくともお1人は。そういう人が万が一指定校で受かっちゃったりすると、指定校の枠が減るじゃないですか。そうすると、もっと指定校が不利になっちゃって、だから今年は少し一般と地域が有利だったのかなと推測しています。
※後日の調査において、実際に”指定校の枠が減る”ことはない、ということが判明しています。3つの推薦に出した人は、指定校の枠で合格するのではなく、神奈川県地域枠で合格することがわかっています。
※ 2023年入試から聖マリアンナの指定校推薦入試は廃止される方向です。その分、他の推薦枠が拡大実施される可能性があります。一会塾は、聖マリアンナ医科大へ多くの卒塾生を出して参りました。また一会塾 武蔵小杉校は、聖マリアンナ医科大と同じ川崎市にあり、時に塾生をキャンパスツアーに案内してきました。果たして指定校の枠は、2023年の入試ではどのように振り分けられるのか?。常に最新の情報を把握しながら、2022年は、ますます聖マリアンナ医科大対策を強化していく予定です。
―そんな詳しい分析をされたらびっくりしますね、聖マリさんも(笑) そんなにたくさん桐蔭から、聖マリアンナを受けていたということなんですか。
はい、気持ち悪いって言われました(笑) 5名です。5名受けて、みんな受け方が違っていたのでたまたま分かったことです。
―今回、聖マリアンナ医科大さんが、地域枠を作られた理由みたいなのはご存知ですか?
アドミッションポリシーによると、多分北里大などと同じだと思うんですけど、神奈川県に従事してくれる医者を確保するためという、普通の理由です。
※聖マリアンナ医科大 募集要項より(2022年)
―普通の理由ですね。(一般に、医学部の)地域枠は受かった場合は拘束がありましたね。
2択なんですけど、研修医が通常で2年間あるじゃないですか。それを含めた9年間、大学の指定した神奈川県の医療機関で働くか、もしくは聖マリの付属病院に残れる手段があって。その代わりそれは指定されたところの科、診療科に就かなければならないという感じですね。その代わり月額10万円が補填されて、6年間で総額720万円の補助が出ます。
―なるほど、またちょっと頭がついていかなかった・・・・(笑)
1カ月10万円なので、1年12カ月で120万円じゃないですか。それかける6で720万円。
―すごいですね。当日の試験の概略、どんな感じでしたか。
1次試験は学科試験で、まず適正検査。適正検査と英語と、自然科学融合問題。それはいわゆる数学、理科とか、理系の多面的な力を見るという目的です。1個そこでポイントとしているのが、指定校推薦のみの志願者は、自然科学問題を受けなくていいという。そこら辺は結構何でしょうね、駆け引きで、自然科学が嫌だから、指定校だけという人も結構いたんじゃないかという分析といいますか。ふたを開けてみたら難しすぎて、差がつかなかったという。学んだことは、もう受けるだけ受けてみろということですね。
↑最新の時間割になります。2021年11月13日実施試験の受験レポート(何が実際に出たか)があります。詳細はお問合せください。
―どんな内容だったんですか、自然科学は。
大問が3つあって、1つ目がβラクタム系。ペニシリンとかの薬の開発から、それがどういう作用をするのかとか。2つ目が放射線と医療の関係。放射線治療とかあるじゃないですか。それに絡めた問題で。
―被ばく量どうのこうのというやつですね。
そうですね。そこから始まって、医療を絡めていくという感じで。3つ目が、カバの粘液について。カバって粘液があるらしくて、それが光なのか波長を変えているなとか、いい利益をもたらしてくれるらしくて、解答は全部記述でした。
―それぞれ文書、200~300字とか読まされて、それについての設問。埋められました?
そうですね。一応全部は埋めましたけど、あれは多分無理ですね。
武蔵小杉校 受付
―例えば問いは、どういう内容なんですか。
内容は生物的な内容だったんですけど、そういうβラクタムとかで。それを実験して、こういう結果が得られましたって。そのときに、この結果が得られた確率を求めなさいとか数学で固めたり、それの最大・最小を積分して求めなさいとか、ただ単に理科ができていればいいとか、そういうわけでもなくて。あとは啓林館の化学の教科書があるじゃないですか。そこの参考とかに載っているページが、結構有効でした。
―啓林館の化学の本ですね。
僕の学校の参考書が啓林館だったので、他の学校は分からないんですけど、参考というページがあって、そこに載っていることが、かなり有効だったなって、家に帰って見たんですけど。見ておくと、強いかなと思います。生物選択者もできないと言っていたので、あまり対策としては、それぐらいしかできないと思います。
―啓林館の化学を参考というところね。時間って分かりますか。
まず適正検査が30分で、10時から10時30分です。英語が11時から12時の60分間。最後に自然科学が13時から14時半の90分。
―自然科学が一番重たいんですね。
そうですね。200点です。英語は150点です。適正検査は参考程度というか、変な人がいないかなみたいな、あぶり出しだと思います。
―中身はどんななんですか、適正検査。
内容は多岐にわたっているんですが2択で。自信家だとか几帳面なところがあるとか。性格検査に近いですね。
―英語の中身、何でしたか。
英語は大問が4つありまして、1つ目が文法問題。要は『英文法・語法1000』とかに載っているような、あのまんまの感じで。2番目が会話文。3つ目、4つ目が長文で、その中の括弧を穴埋めしていくみたいな感じで。慶應の経済学部の文書に、穴ぼこが空いているじゃないですか。4択で、確か穴を埋めるの。あれとまったく同じ形式で。
―全部ほとんど選択式という感じですか。
そうですね。3番の長文だけ記述があって。和訳と、あとは理由説明。下線部は、どういう意味を示したのを表しているかとか。難易度的に1番と2番は簡単なので、そこは落としちゃいけないかな。4番もセンターレベルとか、それ以下だったので。
―そうなんだ。4はやさしめ。
4は満点で、多分3で差がつきました。過去問にすごい傾向が似ていたので、3番は。
―過去問の1つのパターンなのかもしれないですね。
そうですね。一般試験の長文をやっておくと、結構慣れると思います。
―下線は和訳説明と。テーマは覚えていますか、3番。
覚えています。アメリカのどこかの首都の光害と、そのウミガメへの影響。光がきらきらしすぎていて、ウミガメの産卵に悪影響を及ぼしているという内容でした。
※2021年の出題内容も把握しております。お気軽にお問合せください。
―出来はどうでしたか。
多分全体的に8割はいかない、7割ぐらいかなという。周りの受かっている人、みんな7割ぐらいかなと言っていたので、まあ、あんまりあてにはならないかもしれないですけど、8割取れたら、もう結構。
―2次はどんな感じでした。
2次は同じ10時からスタートして、小論文が11時まで。11時半から個人面接1で、12時50分ぐらいから個人面接2というのが始まりました。
※2021年は1日で完結する試験となっています。
―12時50分ぐらいから。
そこら辺結構時間があやふやで、もともと聖マリの募集要項に書いてあった時間と全てずれていて、なので多分来年もその場というか、ちゃんと対応すれば、そこは大丈夫だと思います。
―小論文の中身はどうでしたか。
友人から聞いた話では、去年までは一般とあまり変わらない課題文が出題されていたみたいなんですけど、今年からガラッと変わって、2025年には4人に1人が後期高齢者になりますが、それについて次の問いに答えなさいという簡潔な内容で。
問1は後期高齢者の対象年齢は何歳以上か、
問2は、団塊の世代を漢字で書きなさい、という知識問題でした。
問3が、2025年4人に1人が後期高齢者というのを踏まえて、あなたは医療チームの一員として何ができるかということと、具体的な取り組みを600字以内で。
―本格的だね。今までと傾向が違う、要約が無くなったということですか。
そうですね。結構ガラっと変わりました。
―まあ、でも小論文って、そういうものだからね。原田先生に急遽お願いしたんだけど、どうでしたか。感想というか。
そうですね。原田先生の小論文を受講する前はひどくて。構成が分からなくて、何から書くっていうところから始めて、一応まともに書けるようにしていただいて、これなら何とかなるんじゃないかって行ったら、ガラッと変わっていて。(笑)でも変わったとは言っても、内容は医療に関するものだったので、そこはよかったなという。
↑原田先生の最新刊はこちらです。
―個人面談の内容ですが、1と2と分けているんですね。
部屋があるんですけど、同じ部屋にならないように、ちゃんと組まれているので、まず違う部屋ということと、聞かれた内容は、多分最初は緊張をほぐすために、どこから来ましたかとか、風景はどうでしたかみたいな。
―様子は、どんな感じでしたか。普通の教室?
そんなに大きくないですね。多分これ(インタビュー部屋)の半分ぐらいで、席が1個あって、ここからここぐらい離れたところに面接官が3人いて、男性、男性、女性。これはどこでも女性が1人絶対付いているという。男女比は変わらなかったですね。
一会塾 自習室
―なるほど。
どこもそうだとは聞きました。聞かれる内容も固定されているらしくて、ある程度。最初は必ず、どこから来ているのか、そこからだんだん掘り下げていって、地域枠の受験者には、地域の医療機関でやる気があるかということを聞いてという感じでした。
―具体的に言うと、どうですか。
そうですね。具体的に言うと、まず医師志望理由と、本学志望理由。あとは自分の長所と短所、自己PRを1分間でして下さいって。これは1と2で2回とも聞かれました。
2021年 聖マリアンナ医科大 出願書類
―同じことを。
はい。あとは地域に従事すると書いてありますけど、具体的に何年、研修が終わってすぐに行くのかみたいな、そういう具体的な内容。
―質問されたんですか。ちゃんと分かっているかどうかを聞いたりということ。
具体的なプランを聞かれました。例えば何年後に行きたいのかとか、何科になりたいのかとか。あとは神奈川県の西部の方で開業してやりたいのか、それとも付属病院に残るのかみたいな。付属って答えたら矛盾することになるので、地域で研修が終わり次第、すぐに行きたいと思っていますって答えましたね。
―地域。西部って、何で西部って出てくるんだろうね。
医師が絶対数不足だったり、科が不足しているらしいです。湯河原とかの方ですね。
―いい場所ですけどね、小田原や湯河原は。
そうなんですよ。何で不足しているんだろうみたいな。
―それで個人面接でしょう。その後はどうなるんですか。医師志望理由、本学志望理由、自己PR。
学校のこととか、勉学以外に頑張ったこととかを聞かれて、部活の話をしました。模擬国連部のこと。
―えっ。ああ、模擬国連か。ちらっと聞いたなあ。
それとあとは好きな本を聞かれました。
―用意していたんですか。
はい。基本的に聞かれた内容は全部大学に送る志望理由書に書いた内容なので、意表をつくような問題は出てこなかったです。
―なるほど。わかりました。
今日は具体的な話を沢山して頂いて、これから聖マリを受ける皆さんの参考になったと思います。ありがとうございました。
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