山梨航さん
名古屋市立大学 薬学部 生命薬科学科
関東学院高校
―名古屋市立大学、合格おめでとうございます!
ありがとうございます!
―出身高校は関東学院高校ですね。中学受験されたと思いますが、小学生の頃は塾に通われていましたか?
Z会横浜校の中学受験クラスに通っていました。
―Z会に中学受験クラスがあるんですね。
はい、小学生も中高生も通うので、生徒層は幅広いですね。先生方もたくさんいるので、おもしろい授業もたくさんありました。
―横浜校は大きい校舎でしたか?
ビルの一階のみだったので、他の大手塾に比べたら小規模かもしれません。小学生の頃は集団授業だったんですけど、1クラス8~10人ほどでした。
―Z会には、いつ頃から通われていたのですか?
小3の頃から通信を利用していて、家に教材が届いていました。実際に塾に通って授業を受け始めたのは、5年生頃からですね。
―そのまま高校まで?
はい。最初は親に言われて通い始めて、結局高校まで通い続けました。
―長く通われていたんですね。関東学院を受験された理由は、何かありますか?
カヤックやヨットに興味があったのと、自分でも合格できそうな偏差値だったので・・・
―中学時代もZ会で授業を受けられていたんですよね?
はい、ただ中学からは映像授業でした。
―学校の勉強も頑張っていましたか?
実は、中学と高校の前半はほとんど勉強していませんでした。部活サボって週7でカラオケに行ったり、海に行ったり・・・楽しかったですけどね(苦笑)
―そうだったんだ!山梨くんはもともと医学部志望だったと伺っていますが、医学部志望に至った経緯を教えてくれますか?
本当に恥ずかしい話なんですけど、模試などで【志望学部:〇学部】の欄に、「医」だけ書くのが楽だったから・・・
―え!そんな理由!?
そうなんです。そんな理由で、全部「医」と書いていました。
―その流れで、本番まで医学部を目指し続けたの?
高校で文系特進と理系特進クラスがあって、自分は理系特進クラスだったんです。当時の担任の先生にも「本気で医学部目指そうか」と言ってもらえて、少しずつ気持ちが固まっていきました。
―特進クラスだったんだ!ということは、学校の成績も上位だったのですか?
もともと偏差値の高い学校ではなかったということもあって、ただその中では特進に入れる成績はとれていました。
―担任の先生が勧めるということは、山梨くん自身にはその可能性は感じられていたんですね。
そうなんですかね(笑)ただ、自分はもともと化学が好きだったんです。大学について少しずつ情報を集めていくと、化学を楽しむなら医学部より薬学部かなと思い始めて。薬学部のほうが有機化学のパズルなど使いながら学習したり、研究できたり楽しめそうだなとわかってきました。
―でも志望学部は変えなかった?
その時点で、自分は『医学部受験者』として周りから応援されていたので、言い出せなくなっていました。特に後半は、薬学部に行きたい気持ちが強くなっていたけれど、医学部受験があとに引けなくなってしまって。薬学部の楽しそうな情報を全てシャットアウトして、強制的に医学部を目指していました(苦笑)
―理系の特進クラスで医学部志望者は、山梨くん以外もいましたか?
最初は6人くらいいました。最終的には3人に減ってしまったけれど、それでも例年よりは多かったみたいです。
―医学部受験は、面接含めて特殊な対策が必要かと思いますが、学校でそういったサポート体制があるのですか?
特になかったです。最後一会塾にお世話になるまで、面接の練習も全くしていませんでした。
―そうだったんですね。勉強方法などは、誰かに相談していましたか?
高校の担任の先生が熱心に話を聞いてくれて、勉強方法なども相談にのってくれました。Z会は映像授業のみだったので、誰かに相談することはなかったですね。
―直前まで面接対策ができなかったのは、少し響きそうですね。
そうですね。熊本大学 医学部の前期を受験したんですけど、正直二次試験はあまり難しくなく、手応えがあったんです。なので、共通テスト(以下、共テ)で落ちたかなと思いました。
―共通テストは、あまり良くなかった?
全然よくなかったです。模試とか過去問と比べて、10%以上落ちてしまいました。6割ちょっとくらいしかとれなかったと思います。
―でも、熊本大学も名古屋市立も1次は通ったんですね。
熊本大学はデータリサーチに出してE判定でした。名古屋市立もボーダーぎりぎりだったかもしれません。
―熊本大学は、面接でも失敗しちゃったのですか?
面接で「コロナ渦で直接会うことができない状態での、友達の作り方を3つ挙げてください」と聞かれて、「友達の作り方を意識している時点で、友達は作りにくいと思います」と答えたら、すごい苦笑いされてしまって(苦笑)
―そうなんだ!ひかれた感じ?
そうですね、3つは答えられないと思ったので、素直な意見を述べたんですけど・・・落ちたな、と思いました(苦笑)
―受験本番も、色々ありますよね。名古屋市立は、二次試験で点数が稼げたのかな?
そう思います。化学重視のテストだったので、周りは最後まで解けなかったと言っていたけれど、自分は見直しの時間まであって、そこで点数とれたのかなと思います。
―模試は色々受けていましたか?
河合も駿台も受けていました。
―点数覚えていたりする?
全国偏差値しか覚えていないんですけど、河合の記述模試はけっこうよくて、英語69、数学73、化学78、物理82、くらいでした。
―何その偏差値!すごすぎるよ!!
記述問題は得意なんです。逆に共テが本当に苦手で。簡単な問題を短時間で解いていくのが、どうも苦手なんです。
―そういうことなんですね。もともと国立は熊本大学志望でしたか?
いえ、もともとは島根大学医学部を受験予定だったんですけど、共テの配点が高かったので、二次試験重視の熊本大学に変更しました。それでも、共テと面接で大失敗しちゃったので、やっぱり厳しかったですね。
―私大医学部は受けましたか?
国際医療福祉と杏林は、出願期限が早かったので出願してしまいましたが、私立対策は全くしていなかったので諦めムードでしたね。共テの勉強に集中していて、私立は過去問対策もできなかったので、落ちるべくして落ちた感じです。
―当時は浪人も考えていたんですよね?
99%浪人かなと思って、一会塾でも浪人したときの授業スケジュールを決めたりしていました。もともと医学部がダメだったら浪人しようと思っていたんです。でも、いざ浪人が見えてくると、もう一年受験生をすることが、精神的にキツイかもと思ってきて・・・
―それで薬学部受験に踏み切ったんですね?
正直な気持ちを担任の先生に相談したところ、それなら名古屋市立受けてみようと提案してくれました。
―じゃあ、名古屋市立の受験を決めたのは、直前?
募集期限ぎりぎりでした。
―そうだったんですね。先程、高校前半までは全然勉強していなかったと仰っていたけれど、やる気スイッチ入ったのはいつ頃でしたか?
受験勉強を始めたのは、コロナが流行して遊べなくなってからでしたね。高2の1月頃だったと思います。急に勉強し始めたので、伸びしろは大きかったかもしれません(笑)
―具体的には、どんな勉強を始めたのですか?
とにかく自習時間を増やしました。Z会は映像のみだったので、自習していく中で分からない部分があったときに、解説を聞くかたちで利用していました。
一会塾の自習室
―塾が映像授業のみだと、基本は一人で勉強されていた?
そうですね、一人で黙々と勉強していました。もともと友達と一緒に勉強するのは苦手なので、例えばカフェで勉強するにしても、必ず一人で行っていました。
―孤独は感じませんでしたか?
やっぱり孤独でしたよ(苦笑)友達と切磋琢磨したりというのもなかったので、モチベーションが下がった時などは、立ち直りにくかったです。
―そうですよね。そんな中で、どのようにモチベーションを保っていたのですか?
担任が化学の先生で、授業もすごく面白いし、生徒の『やる気』もちゃんと分かってくれる先生だったので、その先生のおかげで勉強意欲が湧いたというのはありました。
―化学が得意なのは、その先生のおかげ?
その通りです。先生が授業を受け持っているクラスで、化学嫌いな生徒は多分いないと思いますね。
―すごい、理系のホープだね。名古屋市立も勧めてくださって、山梨くんの人生に欠かせない方ですね。
本当に、感謝しかないです。
―先生の支えもあり、孤独な受験生活を戦い抜いたわけですが、一会塾に来てくれたのは、共通テストあたりでしたか?
共テのあとだったと思います。母が見つけてきてくれて。
―お母様と一緒に、面談に来られましたか?
いえ、実は一会塾との入塾面談に行く途中、母親と大喧嘩して、一度リスケして頂きました(苦笑)
―大喧嘩!?何があったの!?
話の流れで「あなたは何をやってもダメ」みたいなことを言われて、頭にきてしまって・・・普段だったら聞き流せるレベルだったんですけど、受験中で、自分も精神的に不安定だったので。
―地雷を踏まれちゃったわけだ。
そうですね(苦笑)当日は電話してキャンセルしてもらい、翌日に自分一人で面談に行きました。ご迷惑をおかけしました。
―いえいえ(笑)そして、佐藤雄一郎先生と話をしてくださったんですね。
はい。授業も受けていなかった自分に「とりあえず自習してみよう」と快く応じてくださいました。大手予備校にもいくつか、行ったんですけど、授業を受けていないと自習室は使わせられないと言われたのに、ものすごく勧誘が激しくて困りました・・・・
―入塾の勧誘ですか?
そうです。受験が終わったあとまで、営業メールが来ていました・・・・
一会塾では、自習室を使わせて頂いたおかげで、最後に追い込みがかけられました。周りの生徒が勉強しているのを見て、やる気も湧いてきましたし、本当に感謝しています。
―それはお役に立ててよかったです。仮に浪人となった場合にも、一会塾に通おうとしてくれたのは、何か理由がありましたか?
まず、先生がみなさんフレンドリーで相談しやすい環境でした。当時、塾内に『教科書先生廃止』と書かれたポスターが貼られていて、それも魅力でした。教科書をなぞるだけの授業が、すごく嫌だなって思っていました。
―あのポスターを見てもらっていたのですね。
最後に面接練習もして頂いたのですが、ひとりひとりの生徒をよく見ているんだなと感じました。ラストスパートを、一会塾で過ごせてよかったです。
―ありがとうございます。追い込みでは、名古屋市立の赤本研究もしていましたか?
いえ、熊本大学医学部に一本集中していたので、熊本ばかりやっていました。名古屋市立の赤本解いたのは、熊本の前期が終わってから一週間ちょっとだけですね。2年分くらいしかできなかったと思います。
―実は、名古屋市立の問題は良問が多いので、一会塾の薬学志望者には、よく解かせていて、どんな大学なのか気になっていたんです。入学式は出席されましたか?
出席しました。オリンピックで金メダルをかじって有名になった、名古屋市長の河村たかしさんが挨拶されていて、面白かったですよ(笑)
―河村たかしさんですか!市立大学だから、市長さんが来るんだね!大学の授業はいかがですか?
授業はすごく難しいです。英語とかはまだついていけるんですけど、専門科目が本当に難しくて、スピードも速いんです。知らないこととか、見たこともない公式が、知っている前提で進んでいくので、もういっぱいいっぱいになりますね。周りは優秀な学生が多くて、自分は遊んでいた時期の基礎が抜けていたりするので、若干置いていかれてます(苦笑)
―入学してからも、大変ですよね。薬学部は、薬学科と生命薬科あわせて110人くらい募集しているけれど、一堂に会する授業はありますか?
専門科目はほとんど一緒なので、だいたいの授業は大きい教室で受けます。
―生命薬科のみで受ける授業もある?
あります。例えば、8人くらいのグループになって、与えられたテーマに沿ってディスカッションをするような授業ですね。
―アクティブラーニング系の授業だね、例えば、どんなテーマがあるのですか?
まだ例題しかやっていないのですが、例題はノーベル賞がテーマでした。グループ内でノーベル賞について知っている情報を挙げて、受賞した人を挙げて、次に受賞しそうな人を予測して理由をつけていきます。分からないことは調べながら、みんなで協力して。すごく楽しいですよ。
―大学生らしい授業ですね。キャンパスはどちらですか?
キャンパスは3つあって、薬学部は田辺通キャンパス、医学部と看護は桜山キャンパス、文系が滝子キャンパスになります。1年次は全員滝子キャンパスなんですけど、金曜日だけ、先程のディスカッション授業で田辺通キャンパスになります。2年からは全て専門科目になるので田辺通に通うことになるのですが、田辺通がすごくきれいなキャンパスで気に入っています。
―なるほどですね。名古屋には慣れましたか?
慣れてきましたけど、すごく暑いですね。今日久々に東京に帰ってきて、涼しくてびっくりしました。
―方言はどう?
方言はあまりないです。関西出身の学生が多いので、彼らの大阪弁のほうが目立つし、染められそうです(笑)
―大学にもなじめましたか?
そうですね。先日も、友達と夜22時から、自転車で4時間かけて夜の海に行って、また4時間かけて帰ってきてそのまま授業受けたり(笑)
―青春してますね!
そんなことできるの、多分1年の今だけだと思うので。
―将来は、大学院に行く予定ですか?
大学院は絶対に行きます。薬剤師にはあまり興味がなく、研究したいので。創薬会社などの企業勤めも魅力的ですね。
―企業に入るにも、院卒は有利だったりしますもんね。たくさんお話聞けて楽しかったです!本日は貴重なお時間、ありがとうございました。これからも頑張ってください!
こちらこそ、ありがとうございました。